小児科ではあらゆる疾患が全人医療の対象となりますが、特に重要なのは、環境要因や心の葛藤が病状を悪化させるような心身症患者や悪生腫瘍患者、慢性疾患患者です。
当小児科では、上の表の「大阪医科大学小児科における全人医療の実績」にありますように、
1985年から開始致しました。
当初は1人でしたが、現在は非常勤を含めて6名で行っています。
また精神科心理士2名、ボランティア心理士数名がサポートしています。
2000年度の、延患者数は1,291名でした。対象疾患は、不定愁訴、起立性調節障害、不登校、
摂食障害、LDなどの発達障害や、小児癌のターミナルケアなどにも対応しています。
2006年度の実績は下記の通りです。
(1) 心に問題を持つ子どもへの診療(小児心身症)
近年、小児心身症・神経症等の受診者が多く、小児心身症外来を開設している。
新患者数180名、延べ受診者数1,650名である。
対象とする心身症には、不定愁訴、起立性調節障害、不登校、摂食障害、
睡眠障害が含まれ、また行動異常などの小児神経症も診療対象としている。
とくに起立性調節障害の診療においては国際的なネットワークを主催しており、
日本では先進的な全人医療を導入した取り組みを実施している。
また日本小児心身医学会多施設共同研究・起立性調節障害ガイドライン作成では中心的な
役割を行っており、今年度中に素案が発表される。
(該当URL:
http://www.inphs.gr.jp/)
またひきこもりを伴う不登校児に対しては学業支援とカウンセリングを平行させながら
社会復帰を促すメンタルアソシエーツ事業を実施中であり、効果を上げている。
当科は、日本心身医学会認定指導施設であり、3名の認定指導医が診療している日本では
最大級の小児心身症診療施設である。
(2)自律神経疾患
小児心身症では自律神経機能異常を伴うことが多いことから、
当科では自律神経機能多面的に解析できるシステム(自律神経ポリグラフ)を開発し、
臨床応用を行っている。
このシステムは小児では日本では唯 一当科だけが設置しており、そのため全国各地からの
患者が検査を希望して受診する。
年々増加傾向にあり、2006年度は296件であった。
心身症自律神経疾患患者以外に、末梢自律神経疾患患者を診療対象としており学会への
報告を行っている。
また大阪医科大学小児科関連施設においても小児心療内科の診療をしております。
そのリストを下の「大阪医科大学小児科関連心身医療施設一覧」に掲載しました。
近年は豊かな時代となり、小児の疾病構造が変化しました。
とくに心身症が急増したことから、厚生労働省は*研究班
(注1)を設置し、
専門医だけではなく、プライマリーケア医にも小児心身症の診療に参画して頂くことを
目的として、昨年から、対策推進キャンペーンを実施しております。
下にありますような、ハンドブックを作成しました。
まもなく書店から販売される予定になっております。
またハンドブックを教科書にして、各地での研修会を計画しています。
2003年の近畿小児科学会は大阪医科大学小児科学教室教授の玉井浩が会長となり、
高槻現代劇場で開催され、班研究研修会を実施いたしました。